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白川郷にて


白川郷は雪に埋もれていた

素朴な民家が散在し

生活の匂いが まだ生きていた

その重厚な佇まいの中に

歴史の重みを胸一杯に感じさせる

厳しい環境の試練は人間に

生活の知恵を与える

古い民家にはそれが歴然と残っている

雪に埋もれ

外界と遮断され寒さの中に生きた人々

長い冬の間 何を考え

どのように生きたのだろうか

遠い昔を振り返れば

囲炉裏の傍らに座している一人の男

額には苦渋に満ちた深い皺が

過酷さに耐えてきた幾星霜の年輪と

なって刻みこまれている 

寡黙に ただ寡黙に座っている

自然との戦い 圧制への抵抗

血縁の統合

全てが彼の双肩にかかる重責 

生きるということの難しさを如実に

知っている彼

厳しさの中で勁烈に生きぬいた存在

あらゆる過去を その表情に

秘めながら